デンマーク近代の作曲家カール･ニールセン（1865‐1931）は、コペンハーゲンの王立音楽院で学び、王立劇場オーケストラのヴァイオリン奏者を務めたように、音楽家として最初の活動はヴァイオリン演奏家としてでした。
本書にはヴァイオリンのために書かれた5つの作品、2つのヴァイオリンとピアノのためのソナタ、アンリ・マルトーに献呈された「第1番」、およびエミール・テルマニとアルトゥール・シュナーベルの演奏によって絶賛を得た「第2番」、また大変独創的な無伴奏ヴァイオリンのための2つ作品（作品48 52）、そしてオーボエのために書かれた「ロマンス」を、ヴァイオリン奏者でその名のエチュードでよく知られているハンス･ジットがヴァイオリンとピアノのために編曲した版（ニールセン自身この版を使って公開演奏をして、認めていた編曲版）が収録されています。協奏曲以外のニールセンのヴァイオリンのための作品が、全て収録されています。
楽譜は、自ら王立デンマーク図書館所蔵の自筆譜に当たって研究した編者の緒方恵氏が、さらに最新のエディションを含むこれまで出版された全ての楽譜も照合し校訂したもので、一般に販売されるものとしてはこれが初めてで唯一となるニールセンのヴァイオリン作品集です。
〈収録作品〉
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番イ長調 Op.9、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第2番 Op.35、無伴奏ヴァイオリンのための「前奏曲と主題と変奏」Op.48、「前奏曲とプレスト」Op.52、「ロマンス」Op.2‐2（H.ジット編）

収載曲