名曲でありながら演奏機会の少ないバッハのチェンバロ協奏曲を、これまでの編曲手法をより発展させることで、ギターとピアノの新たなデュオ作品に仕上げた意欲的かつ画期的な曲集です。

バッハが書いた本来のチェンバロ協奏曲より、ギターでの演奏に適するものとして、第２番と第５番が選ばれています。
同シリーズの特徴である、二つの楽器の対等なわたり合い、双方の特性の引き出しなどの他、現代的な新しい魅力が付け加えられています。調性はギターの響きを考慮して、原調からそれぞれ短３度、長３度上に移調し、第２番はト長調、第５番はイ短調にしています。
チェンバロ特有の装飾的な演奏法を全てとり入れるのではなく、ピアノの重厚な響きに置き換えたり、ギターの艶のある音色を生かすために、それぞれの楽器に適する音型や音域を使って演奏効果を高めています。
原曲では無伴奏のソロ部分でも、原曲のイメージを発展させるために補強声部が加えられたり、緩徐楽章における美しさを強調するための対位旋律が書かれたりもしています。
第２番第２楽章の「シチリアーノ」、「バッハのアリオーソ」として有名な第５番第２楽章など、独立した演奏も可能です。

収載曲